ガラスは宝石


太古、ファラオのためにガラスは宝石や貴石として献上された

Amenhotep 3ガラスは今から5000年ほど前のメソポタミアで誕生しました。この時代のガラス製品は、鮮やかな色彩と輝きが特徴的です。その用途は日用品としてではなく、宝石の代用品として整形されたものが多かったようです。

なぜなら当時、宝石や貴石はとても高価で貴重なものでした。ウルの王墓といわれるシュメール初期王朝時代(紀元前2900年-2300年頃)の墓からは、貴石であるラピスラズリの王冠や金銀半貴石を使った工芸品などが多数発見されたことからも、宝石や貴石の価値の高さがうかがえます。

現存する古代エジプトのガラス彫刻として最大かつ傑作とされているメンホテプ三世(ツタンカーメンの祖父)」のファラオ頭部工芸品は、当時貴重だったラピスラズリを再現するため、コバルト原料と青銅を合わせてラピスラズリの濃紺色を忠実に表現しています。

当時のガラス工芸は、宝石や貴石を生み出す王家秘密の技法とされていました。輝くガラスの色は宝石と同等の価値をもつと考えられ、権力の象徴としていたようです。

この宝石や貴石への憧れを動機に、ガラスの技法が進化し、様々な色彩のガラスが生みだされていきました。ラピスラズリの紺碧やトルコ石の青緑、カーネリアンの深紅やアメジストの赤紫を再現する色ガラスが、この時代にすでに実用化されたようです。

ファラオの権力と富の象徴でもあったガラスは、どのようにして日常生活に浸透し、世界に広がっていったのでしょうか?ガラスの話は、古代ヨーロッパでいっそう輝きをましていきます。