光を捉え、色を与える
2013年にニューヨーク、マンハッタンのチャンバーズ・ストリーにあるシティホールパークにて「Lightness of Being」というパブリック・アート展が開催されました。ここでは、11人の国際的なアーティストによる『奇抜で視覚に訴える発明的な』(whimsy and visual invention)作品が公園内に展示されました。
現代フランスを代表する作家ダニエル・ビュレンヌ氏が「Suncatcher」という名称をつけたその意はなんだったのでしょうか?その手がかりとして同氏の近年の作品を調べていくと、興味深いメッセージにたどりつきました。
パリのグラン・パレは、1900年のパリ万博のメイン会場として建てられた美術館です。鉄骨とガラス張りのドーム屋根が有名な本堂であるモニュメンタでは、2007年より現代アートイベントがおこなわれています。
2012年、グラン・パレのメインエントランスはダニエル・ビュレンヌ氏により、まるで巨大な万華鏡のような光と色彩に包まれました。同氏の作品を展示するにあたりこうインタビューで話しています。「このグランパレの身廊という巨大なスペースの空気を彫り、そこに形を与え、光を捉え、色を与えるということをしたかった」先出の「Suncatcher, 2013」にもおそらく同様のメッセージが込められていると推察すると「光を捉え、色を与え、その場の様相に変化を与えるもの」が「Suncatcher」の本質であると、現代アートの巨匠は唱えているいえます。