富と名声の輝きの象徴シャンデリア
豪華絢爛を飾るシャンデリア。その名の語源は、ラテン語「Candere 輝く、白く光る」に由来しています。またこの言葉は「キャンドル(ロウソク)」とも同じ源語です。一方、フランス語の「ロウソク立て」を意味する「シャンデル(chandelle)」が、その語源であるという説もあります。
シャンデリアは、その語源から推測できるようにもともとはろうそくを置く燭台として、中世ヨーロッパにおいて教会や修道院のホールを照らすために用いられました。一般的なシャンデリアは、木製の十字架型をしており、ロウソクが立てられるようになっていました。また、これらの全体が天井の留め金やフックからロープで吊り下げられていることもありました。
当時からロウソクによるシャンデリアは非常に裕福な家庭の持ち物として使用されおり、15世紀以降、シャンデリアはより装飾的になり、ステータスシンボルとして宮殿や貴族、富裕層の家に置かれるようになりました。この当時、シャンデリアは真鍮性で造られた装飾的で長くカーブした腕木を持ち、多数のロウソクを設置できるタイプのシャンデリアが流行したようです。
18世紀になると、ガラス製造業の発達によってクリスタルガラスがより安く製造されるようになると、クリスタルガラスの光散乱性の高い反射性ガラスの特徴を備えたガラス製のクリスタル・シャンデリアが登場しました。1873年のウイーン万国博覧会や1888年のバルセロナ博覧会等を契機に、チェコ・イタリア・イギリス・フランスで造られるガラス製シャンデリアのデザインは革新的な発展を遂げました。その後、ロウソクは灯油に替り、次いでガスに替り、最終的には電燈に置き換えられていきました。
天井から吊るす点では、サンキャッチャーに共通しますが、そもそもセレブのステータスシンボルとして観賞用に利用されてきた点から考えると、サンキャッチャーの起源とはなりえないと思われます。むしろ、シャンデリアの装飾の一端として、様々な貴石・半貴石を使ったサンキャッチャーが、シャンデリアに利用されていったことは期待できる予測です。