ヒンメリ起源説


太陽神への豊作祈願の祈り、ヒンメリ

180px-Himmeliヒンメリとはフィンランドの伝統的な装飾品です。藁と糸で構成した多面体を複数個組み合わせ、これらを繋ぎ合わせ、天井や壁から吊るし、デザインと空間との調和を楽しむインテリアとも言えます。

ヒンメリ(himmeli)は、スウェーデン語のhimmel(天を意味する)が語源です。太陽信仰や豊作祈願の神具のひとつとして、古来より伝え作られてきたといわれています。

フィンランドは、隣国スウェーデンが1150年頃にフィンランドを統治するまでは、南方で農業や航海をおこなうフィン人、北方でトナカイの放牧狩猟をするサーミ人、ノルマン人などがこの地に居住していました。

現在のフィンランド国民の主要構成となるフィン族は、古くから自然を崇拝し、精霊信仰に基づいた原始宗教的な伝説をいまも守っています。16世紀の宗教改革後も、彼らの根底にある自然信仰の宗教的部分は残されていたようです。彼らは、太陽神の誕生祭や農耕神への収穫祭を12月下旬の頃に「ヨウル」の冬至祭として執りおこなってきました。現在の北欧で「ヨウル」はクリスマスのことを意味しますが、もともと「ヨウル」は北欧を含むゲルマン民族の祭りであり、冬至を太陽が再び力強い生命を持つ日を新年とて、平和と豊穣を祈ったとされています。ヒンメリはその名残を備えた素朴かつ神聖な装飾品といえます。

ヒンメリがサンキャッチャーの起源であるかを考察すると、ヒンメリそれ自体が太陽であり、藁から作られていることからも祭事祈願の要素が強く、光と色を取り入れるサンキャッチャとはやや一線を画するものであると思われます。ただし、太陽光線の少ない北欧地域が、ある時は効果的に、ある時は演出的に太陽光を取り入れる工夫を凝らすことは当然のこと。炎天下の赤道直下地域では、太陽光を楽しむ情緒的な余裕は生まれにくいと思われます。