ステンドグラス起源説


光は神からのメッセージ

ステンドグラス「Stainde Gass」の「Stainde」は「染色」を意味しています。ステンドグラスの製造は、板ガラスの製造がはじまった古代ローマ時代にさかのぼります。ローマ帝国時代79年にヴェスヴィオ火山の噴火で埋もれたポンペイの浴場から、なんとステンドグラスらしきガラスが発見されています。

ガラスは、板ガラスの誕生により、調度品から建築資材へとその可能性を発展させました。板ガラスを切断し、色配置を検討し、窓にはめていくことで、結果的にステンドグラスに近い装飾ガラスが誕生したのでしょう。ある意味、太陽光を取り入れることができる窓ガラスを生活に利用することは当然のことだったともいえます。

現存する最古のステンドグラスは、イタリアのアドリア海に面した小都市ラヴェンナにあるサン・ヴィターレ教会にある6世紀頃に作られた円形の色ガラスに彩画された使徒絵の板ガラスだといわれています。またある説では、ドイツのシャルル修道院で発見されたキリスト頭部を描いた絵図が最古のステンドグラスともいわれています。

Sainte_chapelle_superiorステンドグラスが普及したのは、約5世紀から9世紀のことです。当時、西ヨーロッパを支配したゲルマン系のフランク王国の後期王朝(752年‐987年)のカロリング王朝が、教会にガラス窓を取り入れることを奨励したことが理由です。

その後、中世建築の発展がステンドグラスをヨーロッパ各地に広げる大きな要因となりました。ゴシック建築は12世紀のフランスを発祥とする建築様式。これまでのロマネスク建築は半円形状のアーチを建築物に使用していたのに対して、ゴシック建築は塔形アーチを用いた特徴的な建築物です。

その後19世紀頃に鉄骨や鉄筋建築が誕生するまでの期間、ゴシック建築は建築史上最も創意工夫に長けた工法だったのです。この中世ゴシック建築の大聖堂には、色鮮やかなステンドグラスが多様に用いられました。

フランスのパリ中心部、シテ島にあるサント・シャペル「聖なる礼拝堂」は、ゴシック建築が最も輝かしかった時期の頂点ともいわれている傑作。そのステンドグラスの荘厳さは、声もでないほど圧巻の美しさを誇っています。

キリスト教で、虹は神からのメッセージとされており、教会のステンドグラスは、この虹を模した存在として意味づけられています。また、ステンドグラスは、神の属性の「光」を最も効果的に表す手段でもありました。つまりステンドグラスは、文字が読めない人にとって絵解きの聖書であったとされています。

このステンドグラスは、「光」の活用方法の点から、光と色彩を織り交ぜたサンキャッチャーの原型の一端を垣間見ることができます。