北欧ガラス史


欧州ガラス:ノルウエー、フィンランド、スウェーデン編

スカンジナビア半島の国々

北欧のノルウエーやフィンランド、スウェーデンでは、ローマ時代にローマガラスの輸入がおこなわれました。その後この地のヴァイキング時代(800年 – 1050年)にドイツやイスラム地域からガラスの輸入があったものの、産業としての発展にめだったものはないようです。

スウェーデンで初ガラス工房が開設したのは1555年頃で、当時の国王がイタリアのガラス職人を招いたと伝えられています。その後も流行モデルを製造する程度で、独自の発展はしなかったようです。

Vase Marguerite Gallé Petit Palais転機は、1889年パリ万国博でした。アール・ヌーヴォーを代表するフランスのガラス工芸家であるエミール・ガレ(Émile Gallé)が装飾工芸家として国際的な評価を得ると同時に北欧ではこのガレ様式の作品が作り出されました。

このガラス工芸の動きが、北欧独自の感覚的機能主義と呼ばれるスカンジナビアデザインの基礎となりました。

スカンジナビアデザインとは、優美な曲線や、美しい造詣が特徴的なデザイン。デザインのためのデザインではなく、日常使うための機能的でシンプルなデザインでありながらも、情緒性を持たせた優美な造形が特徴的です。

北欧という長期に渡る寒さの厳しい環境下では、日照時間がきわめて少なく家で過ごす時間が多くなります。ここで生活する人々は、長い夜を、明るく、暖かく過ごせるよう居住空間をより快適に過ごせる工夫として、デザインや照明など温みがある製品を生みだしました。生活に温かみと快適さを与えるスカンジナビアン・ファンクショナリズムという、このデザインムーブメントは、ガラスに限らず北欧の様々デザインに生かされています。